童話  (やなおかよしこのようちえんからしょうがっこうまでのおもいでをどうわにしました)
「じゃんけんぽん」
「おしっこしたい」 
「こけたって」
「びりだって」
「ピカピカのいちねんせい」
「およげたよ」
 
じゃんけんぽん
よしこちゃんは
ねんちょうさんの
さくらぐみです

みんなで
あそんでいると
しんせつなおばあさんが
あめだまをくれました

よしこちゃん
ひろこちゃん
まさみちゃんたちは
おおよろこびです

ところが
あめだまは
2こしかありません


ひろこちゃんがいいました
「じゃんけんしよう」
まさみちゃんがいいました
「そうしよう」
じゃんけんポン!
よしこちゃんは
ちょきをだしました
ひろこちゃんとまさみちゃんは
パーでした
よしこちゃんは
かったとおもいました

ところが
ふたりは・・・
「よしこちゃんのまけ」
といいました


「あれっ!」
「よしこちゃんはグーだ」
といいました
ちょきのつもりでだしたのに


よしこちゃんは
てにしょうがいがあって
おともだちとおなじように
ゆびがひろがらないのです
だから
ちょきがグーにみえたのです
ひろこちゃんはいいました
「よしこちゃんは
グーもちょきもパーもみんな
グーにみえるからわからない」
よしこちゃんは
じぶんがみんなと
ちょっとだけちがうところが
あることにきがつきました
でも、なきません
まさみちゃんは
かんがえました
グーとちょきとパーをかいた
かみをよしこちゃんに
わたしました
「これをだしてね」

「じゃんけんポン」
ちがうところがあっても
みんなともだち 
おしっこしたい
よしこちゃんは
うたがだいすきです
みんなで
うたをうたっているとき
おしっこがしたくなりました
よしこちゃんは
トイレにいきました
でも、よしこちゃんは
かがむことができません
こまりました
よしこちゃんは
おしっこが
ひとりでできないことは
ふじゆうなことだとおもいました
でも、なきません
よしこちゃんは
すわってできるトイレを
さがしました
「できた!」
「ひとりでできた!」
こけたって
おゆうぎかいの
れんしゅうをしていました
にんぎょひめの
げきです

はっぴょうのひ
ぶたいにみんなで
ならんでいると
うしろのおとこのこに
つきとばされました
よしこちゃんは
ぶたいのうえでこけました
いっしょにこけたおともだちは
ひとりでたちあがりました
よしこちゃんはこけたままです
みんなかけよっておこしました
よしこちゃんは
ひとりでたちあがれなくて
はずかしいとおもいました
でも、なきません
「おこしてくれて
ありがとう」

と、にっこりわらっていました
びりだって
うんどうかいのひ
かけっこをしました
よしこちゃんは
あしがふじゆうで
はやくはしれません
ひとり、ふたりと
みんなにおいこされました
びりになりそうです
つぎのグループがうしろから
ちかづいてきました
でも、なきません
うしろのグループのための
テープがはられました
よしこちゃんはわらって
いちばんみたいにテープをきりました
ピカピカのいちねんせい
よしこちゃんは
しょうがっこうに
にゅうがくしました
たいいくのじかんです

よしこちゃんは
あしがふじゆうでできません
うんどうじょうのすみっこで
いつもけんがくです

かぜをひいてやすんでいる
おともだちが
せきをしながら
ちかづいてきました
「よしこちゃんもかぜひいた?」
「ううん。げんきやけど・・・
できないから」
かぜをうつされるのではないかと
しんぱいになりました
ちょぴりはなれました
よしこちゃんは
みんなといっしょに
やりたいなとおもいました
「あぶないから」
と、せんせいにいわれました
でも、なきません

よしこちゃんは
クラス1の
おうえんだんになりました
およげたよ
プールのひ
「いっしょにおよごう」
と、せんせいがいってくれました
「うきわがないとおよげない」
と、いいました
「れんしゅうしましょう」
と、およぎかたをおしえてくれました
かおつけのれんしゅうをしました
いきがくるしかったけど
がんばりました

よしこちゃんのあしは
ほとんどうごきません
ばたばたできません
そのかわり
てをおおきくうごかしました
グーしかできないてでは
あまりみずをかけません
しずんでしまいそうです

でも、なきません
よしこちゃんは
いっしょうけんめいれんしゅうしました
まいにち、まいにち
れんしゅうしました
そして
すこしずつきょりをのばし
とうとう
プールのはしからはしまで
50メートルおよぎました
「やったあ!およげたよ。」
「よくがんばったね。おめでとう」