まちかど発見  2001中学生まちづくり会議  
本市では、人づくりの一環として、次世代を担う中学生を対象に自分の夢や未来のまちづくりについて、行政といっしょに考える機会を設けることで、まちづくりへの関心や参画意識を育み、将来の御坊市を支えるリーダーを養成する目的で、中学生まちづくり会議を開催しています。
今回は第2回目で、まちかど発見というテーマで今夏に行ったものの概要を掲載します。

 

<参加者>
*大成中学校 野村 尚平 *河南中学校 今福 安人
川口 梨乃 坂本 奈弥
堂前 裕香 嶋  祐子
小池 良人 早川 壮
*湯川中学校 藤瀧 貴雅 小森 景子
丸山 新仁 垣内 克哉
米倉 亜美 *名田中学校 鍵山 太祐
川ア 篤子 志賀 量太
*御坊中学校 玉置 由佳 保手 絵里香
原  美紀子 堂前 和政
阪本 美菜子
山本 祥佳
コーディネーター 和歌山大学システム工学部教授 濱田 学昭
アシスタント(和歌山大学大学院生) 岩井 勝彦 塩谷 拓也
細木 俊宏 石井 隆寛
* まちづくり座談会メンバー 柳岡 克子 蒲原 牧子
古山 隆生 下田 次郎
岡本 宏之

 

まちかど発見

 

* 早川 壮君(河南中学校)

     本町商店街

道は、タイルで舗装されていたが、街灯につけてる

鉢に植えてる花が枯れていたから、さびしい感じに

なっていた。

印象にのこるものがない。目立っていない。

人通りも少なかった。

* 嶋 祐子さん(河南中学校)

     御坊幼稚園

御坊幼稚園の門がすごかった。

お寺と幼稚園がくっついていたからだった。

何度かその門の前を通ったことがあったけど、

幼稚園の門だとは思わなかった。

めずらしいと思った。

* 野村 尚平君(大成中学校)

     **精肉屋について思ったこと

安くて新鮮な肉が、置いていたと思いました。

それからコロッケをくれました。おいしかったです。

いい人だと思いました。

* 志賀 量太君(名田中学校)

     中華料理 ガチンコ

変わった名前だったので書くことにした。

テレビ番組の名前をとっているようで、

まだ新しかったけど営業していなかった。

こんな狭い所に店があったのが驚いた。

* 堂前 和政君(名田中学校)

川の水がにごっていた。

川に魚がいるが、川が汚いのに

死なないのかと思った。

なぜ、こんなにきたないんだろうと

思った。

* 川口 梨乃さん(大成中学校)

   ☆さかやさん☆

入り口の所にぶらさがっていた丸い物体が

気になった。その丸い物体は、さかやさんの

印だときいた。ぱっと見、巣みたいだった。

とても古い感じがして。

この「さかやさん」をずっと残してほしいと

思った。

 

* 小池 良人君(大成中学校)

     御坊小学校

御坊小学校は、他の小学校と

比べてかなりでかかった。

やっぱり、あそこらへんに住んでる

人が多いからかなと思った。

* 玉置 由佳さん(御坊中学校)

     小竹八幡神社

10月に御坊祭りがあり、さわがしい

イメージを持っていましたが、

ふだんいってみれば木がたくさんあり、

静かで涼しいところでした。

* 原 美紀子さん(御坊中学校)

     日高別院

どっからどー見ても古かった。

その分、歴史を感じた。

500年ぐらい前の人は、天才だ。

木もでかくて歴史を感じた。

* 今福 安人君(河南中学校)

     紀州美人

お酒を造っている店は、手造りらしい。

1回お酒を造ってみたい。

自分で造ったお酒を飲んでみたい。

* 坂本 奈弥さん(河南中学校)

     銀 行

木がたくさんあり、かげになっていたので

とても涼しかった。

* 鍵山 太祐君(名田中学校)

昔の街並みの古い家に格子が

窓の手前についていた。

どうして格子をつけられているかと言うと

外から中のことが見えないように

するためにつけられていた。

* 保手 絵里香さん(名田中学校)

私は、今まで商店街にきたことがあまりなかったので、驚くことがいくつかあった。

思っていたより店の数が多くて新しい店もたくさんあった。服屋などもあったけれど人が少なかった。

みんなが大きなデパートに行くんだろうと思った。

だからこれから新しい店がどんどん増えてくると思う。

でも、私の初めて見る古い家や店もたくさんあった。

例えば、野菜や花だけを売っている店や砂糖だ。

こんな古い店を見たことがなかったからびっくりした。

そして、古い街並みを残していかなければならないと思った。

*  阪本 美菜子さん(御坊中学校)

最近では、「品数が多くて便利だから」という理由でデパートなどを利用している人が多いと思います。

実際、この写真の店にいたおばさんが「大きなスーパーができるほど、この辺りの店がさびれるので困る」と言っていました。

これが、今の商店街の現状だと思います。

確かに便利さを優先するのもいいけれど、なじみ深い商店街での買い物には、いろんな人との繋がりがあっていい雰囲気だったように思います。

でも、「新しい町」にも「昔ながらの町」にもいい所がたくさんあるから「新しい方がいい」とか「昔ながらの方がいい」とか、そういう考え方をしないで両方の長所を生かすことができれば、きっといい町になると思います。

* 藤瀧 貴雅君(湯川中学校)

     トップの前の道

車の通りがとても多い。

歩道は、広い(片方しかない)

危険

両方に歩道がほしい。

 

* 丸山 新仁君(湯川中学校)

     汚れたドブ

この汚れたドブは、ボーリング場の前の物です。

ゴミやカンなどがたくさん捨てられていて、水もにごってました。

* 米倉 亜美さん(湯川中学校)

     ガソリンスタンドの前の道

道が狭いのに車がたくさん通っていたので危険だった。

歩道がないので歩道がほしいと思った。

* 川崎 篤子さん(湯川中学校)

     りんこう(紀伊御坊駅)

御坊市にあるこのりんこうは、日本一短いりんこうとして、よく知られている。

このりんこうの駅は、御坊駅から西御坊駅まであって駅数は5つあるそうです。

その走行距離は、なんと3km足らずしかないようです。

また、最近では、新しいりんこうも見られます。

でも、この古い方のりんこうの方が歴史が感じられてとてもいいと思いました。

 

まとめ

 

濱田先生

ここに人が座っていて楽しそうな外国の広場のような写真があります。見たところ特別なものなど何もありませんがとても楽しそうに見えますね。街が楽しいかどうかっていうのは、街自体にあるのではなくて、楽しそうと感じる雰囲気は、街とそこにいる人達がいっしょになって作っている状況が楽しいからです。だからどんなきれいな街を作っても、そこにだれもいなくてはちっとも楽しそうには写らない。ただのきれいな写真だけで終わってしまう。ただし、ここで大事なのは、みんな座っていても同じような方法で利用しているということ。散らかしている人はいない。ごみを出さないようにしている。みんな使い方が同じなのです。楽しみ方が同じなのです。みんなが協力して同じようなことをやろうとしているからです。つまり、みんな同じようなことを求めているのだけれど、そういうふうにならないひとつは、みんなが協力してその方向に向かっていかないこと。

例えば川はきれいであってほしい、とか古い町並みや建物は残した方が良いと思いつつ、実際は川が汚かったりするのは、みんなが協力してそういう形になかなか向いていかないから。そういうことが一番大きな原因なのです。川の掃除をする市役所にお金がないとか、そんなことは小さな悩みで、一番大きいのは、そうしようとみんながまとまっていかないから。これが大きな原因です。


座談会メンバー

下田さん
 御坊の商店街を見てまわって感じたと思いますが、古い店舗や空き店舗が非常に多くなり、さびれた街になりつつあるなと感じられた方も多いのではないかと思います。商店街の活性化ということで商店街も努力はしているんですけど、なかなか高齢化の問題などでうまく進まないのが実情です。将来、商店街の元気のある若い方々が大型店舗に対抗してやっていくことができたらなあと思っています。

古山さん
 私は御坊に働きに来ている外国人とよく話をします。かれらの多くは「御坊はええとこや」というんです。「どこええんな」と聞くと「山あるし川あるし海あるし、山は緑、川はゆったり流れている。海のにおいがする。そこへまた人が親切だ。このように言う外国人が多いのです。ですから皆さんも一度外へ出てもう一回御坊を見直して欲しいと思います。そうすればいいところが見えてくると思います。

岡本さん
 まちづくりというテーマが掲げられていますけど、滋賀県の長浜という街は、年間何十万人と言う観光客が訪れます。何を見にくるかと言うと、なんてことはない古い黒い壁です。飛騨高山の合掌造りなども観光客が大勢見にきます。屋久島もあります。もしかすると今皆さんが住んでいる家が千年の間そのまま立っていたら世界遺産になるかもしれませんね。屋久島に住んでいる人達が千年以上たった杉を切るのを止めて後世に残そうという気があったからこそ世界遺産に登録されたのです。さきほどから、街のテーマについてみなさん考えていましたけれど、「世界一心優しい人が住むごぼう」これをみんなで10年言いつづければ、20年、30年言い続ければ、本当に「世界一心優しい人が住む街」になるかもしれません。どうかそういったことを思い続けていただきたいなと思います。

蒲原さん

今日、参加させていただいて良かったなあと思っています。なぜかと言うと、皆さんの意見って、私が思っているのとぜんぜん違ったからです。「今の若いもんはもう…」ってよく私らおばちゃん世代やおっちゃん世代はよく言うんです。でも古いものはええなあと思ってくれたり、川が汚れているなあと気づいてくれたり、ああこんなこと思ってくれているんだなあとわかったので、良かったと思います。暑い中ごくろうさまでした。

私は大阪とか都会で仕事をする機会が多いのですが、帰ってきて日高川を見るとほっとします。私はおしゃれを通じてまちづくりができんかなと思っている一人です、家の中で古いものがそのままぐちゃぐちゃに置いてあったら大変なんやけど、きっちり整理されて“アンティーク”と言う言葉に変わったらすごくおしゃれに感じて、この家に住みたいなあとか、このまちに住みたいなあとか思うようになってくると思うんです。だから、古いものをそのまま置いておかんと“アンティーク”に変えながら、どんなふうに変えていけばいいのかとか、どんなふうに住みやすくしたらいいのかとか、わたしにもわからないのですけれど、ここに集まっているような心強い若者達がたくさんいますので、きっと大丈夫だと思います。

またいっしょにまちづくりを考えられたらいいなと思います。これかもよろしくお願いします。

 

柳岡さん

私はお年寄りも障害を持った人もみんなが住みやすい街づくりという観点でこの会に入れていただいています。みなさんが歩いた中で、車椅子でも通れるような道というのがどれくらいあったかなともう一回思い出してほしいと思います。みんな同じように年をとるんですね。御坊は高齢者がだんだん増えてきています。そういうお年寄りでも買い物に行きやすいような街、そんな街にするにはどうしたらいいのか、みなさんの目から見て、考えていってほしいと思います。

今日の意見の中で、電信柱がなかったらいいのになあとか、ないほうが景観がいいのになあとか子供たちの意見として出てくるかなと思っていましたが、出なかったので、あんまりみんなの目には電信柱は目障りにならなかったのかなあと、ふと思いました。

御坊町内出身の人にとったら御坊のまちは地元なんですけど、名田とか塩屋とか、藤田の方の人がいるので、その人達が結婚したら、御坊町内にアパートを借りて住んでみたいと思っているのか。今の田んぼのある名田や塩屋で生活したいと思っているのかそこらへんも聞いてみたいと思いました。御坊に出てきたときはロマンシティで買い物するだけではなくて、商店街でも何か買い物してみたいなという気持ちになってもらえたら今回の新しい発見の一つになったんじゃないかと思います。将来就職したり、大学へ行ったりして都会へ出ても、御坊というまちをふるさととして、向こうで知り合った友だちに「ぼくの街や、ええ街や。遊びにこいよ」といえるような街にしていって欲しいと思います。

ありがとうございます。

田中教育長

いい学習会だったと思います。

私が住んでいる近くの会館には4月につばめがやってきて巣づくりを始めました。

それをみて俳句を一句作りました。「ここだけが 安心の宿 ツバメくん」ツバメが土を運び、巣がだいぶ出来上がったときに、誰かに壊されていました。私は巣の中で卵が孵って10月頃ツバケが巣立っていくのを楽しみにしていましたので、ああかわいそうになと思っていました。それから2、3日したらまたツバメが飛んできて、また巣づくりを始めました。そして卵を温めだしたのです。もうすぐ雛になる頃だと思っていたらまた壊されていました。私は無性に腹がたちました。かわいそうに卵は下に落ちていました。それでもツバメはまた巣を作ったのです。でも古い土の上に新しい土をかぶせたせいか、巣は自然に壊れてしまっていました。

私は「ツバメさん。来年もまた飛んできてよ」と手を合わせていいました。

ツバメにとってはそこが自分のふるさとだったと思うんです。

みなさんのふるさとはここ御坊の街。この御坊の街をどうしたらいいのか、この2日間、その澄んだ目で見て考えました。歴史も考え文化も見、商店街も見ました。私はさきほどからみなさんの意見を聞きながら、ずっと昔の御坊の街を思い出していました。この国道42号線はありませんでした。今から50〜60年ほど前ですけど、私が子どもの時分は御坊の中町の道は熊野街道と呼ばれていました。天田橋をずっとバスが通っていました。南海バスの本社がまちのまん中にあったのですよ。私が美山村寒川の学校へ行くときは中町まで来てバスに乗っていったのです。道と街の発展とは大きなつながりがあります。今は車社会ですから、それに合ったような道ができています。そういう所をみなさんは見ていると思います。

まちの姿はたいへん変わってきています。しかし、私たちは住みよい、豊かなまちにしていかなあかん。安心できるまちにしていかなあかん。ツバメが巣づくりをして安心できるところ、みなさんは自分の家もふるさと、学校もふるさと、ここもふるさとです。まちの移り変わりを勉強して、身についたのは自分のまちを、わがまちを愛する気持ちを今日はしっかりとつかんでくれたことと思います。すばらしいまちづくりを考えて、未来に向かって絵を描くこともいいです。あなたがた中学生にできることがあります。それはなにか。私はこんなことしたらいいのになとひとつ思うことがあるのですが、今後の宿題にしておきましょう。あなたがたにできる住みよい、美しい御坊のまちづくりがきっとできる、必ずできると思います。今日の意見発表を聞いていて大変うれしく思いました。二学期もうすぐ始まりますが、がんばって欲しいと思います。

中野企画課長

まちづくり座談会のみなさんにはお忙しい中を、この会議にご出席いただき、貴重なご意見を出していただきまして、本当にありがとうございました。中学生のみなさんにはたいへん暑い中街中を歩いていただいて、中学生の目で見たまちづくりでの意見を発表していただきました。街中を歩いているうちに、大きな木がありましたね。その木の下は木陰でとても気持ちが良いと思いました。しかし、近くに住んでいる方は、葉っぱが落ちて毎日掃除をするのがたいへんだという話もでてきましたね。このように考え方とか、見方によっては正反対の意見が出てくるということも歩いている中で分かったと思います。今後、街を歩いたことによって違った目でものを見るようになったことでしょう。まちづくりは人づくりといわれていますが、学校単位ではなくて、ばらばらにグループを組んでいただいて、街中を探索していただきました。昨日はあまり笑顔もなくまじめな顔で歩いていましたが、今日は他校とのコミュニケーションもとれてたいへんよかったと思います。この探検隊に出席してよかったというみなさんの意見を聞いてうれしく思っています。またこういう機会があればぜひ参加して欲しいと思います。この2日間の経験を生かしてこれからも地域のリーダーとして活躍して下さい。いろいろなことを吸収して幅の広い人間に育って欲しいと思います。これからもがんばってください。

濱田先生
 いつもは自転車で走っているところを皆さんにキョロキョロしながら歩いてもらいました。そのなかで街のなかにもおもしろいものがあるなという発見があったかと思います。これからも大いにキョロキョロして街を歩いてもらって、あんなところがある、こんなところがあると友だちどうし話し合って、そうするとその友だちも行ってみようかということになって、みんなまちに来てもらうようになると関心が高まりそれがまちづくりの第一歩になりますので、そんな形で、みんなまちを知っているようで実はあまり、ほとんど知らないということに気がつくと思います。時間があれば街に出かけて歩いて、街の話をして、あんなにしたらいいのにという意見を大人に伝える。そういうことでだんだんと自分たちが思っている街が実現することの一歩になります。他の街に行って、例えば大阪とかへ行ってもいつも買い物するところだけではなく、ちょっと横道へそれてそこの街を見て、そのときに自分の街と比較してみて、外から御坊の街を見ると、さらに御坊の街のようすがよく見えるようになると思いますので、関心をもってもらいたいと思います。

☆交流会