174、女性の目線で考える避難所運営
地域住民と一緒に防災意識を高め、男女が協力し合いながら災害を想定した訓練をすることによって、実体験の中でリーダーシップを取れる女性を育成することを目的として、和歌山県「元気な和歌山」地域連携事業に採択された。テーマは「女性の目線で考える避難所運営」として女性にとって、災害時に避難所において一番困ることは、トイレの問題であるという現状報告を和歌山大学客員教授 今西武先生を講師に講演してもらい、「トイレプロジェクト」として新聞紙で簡単に作れる簡易トイレの作り方講習会を企画した。
また、避難所生活において、赤ちゃんへの授乳や着替えなど避難所となるであろう体育館に備え付けの卓球の経切りでは高さが低いためプライバシーが侵され、被災者の精神的負担は大きいのが問題となっている。そこで高い間仕切りを製作することによって少しでもストレスを軽減できればいいのではないかと考えた。実際、段ボールを利用した簡易間仕切り(パーテーション)で4畳半を1世帯として10組を組み立ててみることにした。1セットの組み立て時間は30分。撤去は5分。このように女性の視点から避難所運営のリーダーシップをとることによって、男女共同参画の推進につながり、日頃から防災に対する意識を高め、訓練することによって、男女の協力、対応の仕方など防災体制の確立のための啓発につながる。また、会場の後ろで、避難袋に入れるべきものの展示、防災グッズの展示、災害対策の説明などを防災グッズ専門店の協力でする。パン、アルファー米、水等の試食もした。その後、会場の向かいにある大型家電量販店の屋上駐車場とその上に作られた避難所に逃げる訓練を実施した。エレベーターを使わず会場の市役所5階から降り、向かいの店の車専用のスロープを上がり、時間を計り避難を体験してもらう。JINLIKIという高齢者や障害者の車いすを引っ張る道具や保育園や幼稚園児を大勢乗せられるリアカーも使い、誰もが安全に早く避難できる方法を模索した。