172、高橋史朗講演会
御坊市民文化会館で明星大学教授、元埼玉県教育長の高橋史朗氏を講師に「家族の絆と男女共同参画」と題して講演会を開催した。高橋氏は「男のくせに、女のくせにと強制してはいけないが男らしさ、女らしさを否定してもいけない。両性の特性を考慮するというと女性に対する差別につながると言われるが、男女を区別することは差別ではない。男女の関係は優劣ではなく補完関係だと行き過ぎたジェンダーフリーの問題点を指摘した。また、友達親子が増え学級崩壊が起こっている。これは、万引きしても犯罪だという価値規範を親子が共有できず、お金を払って反省しない親が出てきた。「ならぬものはならぬ」と熱く子どもと向き合える親がいなくなった。美しいものを美しいと感動を分かち会えるかかわりを持ち大自然を味わう心のゆとりを大人が持てなくなった。子どものために犠牲になる親がなくなった。戦争に負けて自信がなくなり、そんな親に育てられた子どもが親になり、身近な大人が夢を持って生きていないから子どもの心は下を向いている。子どもに希望を持たせるには「大丈夫、きっと良くなる」と言ってくれた父の言葉が支えだった。「親が変われば子が変わる」と親学の持論を展開。教育の道は、家庭の教えで芽を出し、学校で花が咲き、世間の教えで実がなる。育児も介護も家族の絆があってこそ日本型福祉社会で教育は心のキャッチボールである。失った日本人の心を取り戻そうではありませんか」と締めくくった。参加者70名は「本当の男女共同参画の意味がわかった」と目からうろこの話に聞き入った。