道路特定財源諸税の暫定税率等の延長を求める
和歌山県決起大会
(アバローム紀の国) 平成19年12月27日 

 ただ今ご紹介いただきました柳岡克子でございます。神戸学院大学薬学部を卒業した薬剤師です。このような高いところからお話させていただくのはまことに僭越ではございますが、和歌山の将来を熱く思う気持ちは皆様方と変わらないと自負いたしまして意見発表させていただきます。
振り返りますと、平成11年、赤坂プリンスホテルにおきましてこのような大会がありました折、私も上京し、2人の祖父の話をさせてもらいました。父方の祖父は土木建築業で道路や橋を作っておりました。亡くなった今でも祖父の作った道路や橋は多くの人々の生活を支えています。母方の祖父は、50年近く御坊の町議・市議を務め和歌山県のために力を注いできました。はじめて上京の話をいただいた時、障害者の私が道路整備の意見発表などできるものかと思いましたが、2人の祖父の和歌山に対する思いを継承していかなければならないと思ったのです。それから平成14年には日比谷公会堂で全国大会が行われました。100人を越える国会議員の先生方がステージに座られ、3000人もの地方議員さんが集まっていました。私の上京を聞きつけ、かねてから親交のあった高市早苗衆議院議員と橋本聖子参議院議員が控え室にかけつけ励ましてくださったおかげで緊張がほぐれ無事発表できました。この時は、障害者の立場から、車を運転することがいかに社会参加につながり、道路の整備がいかに大切かを話しました。100歩も歩けない私が車に乗れば100キロ離れた所でも1人で移動できるのです。おかげさまで当時御坊までだった高速道路が今や田辺にまで延長され、渋滞して高速道路とは思えない海南有田間も4車線の工事が進んでいます。
それでは、和歌山県にはもう高速道路はいらないのでしょうか?紀伊半島は田辺から新宮、三重県へとまだまだ続いているのです。途中で途切れてはいけないのです。近い将来起こると予想される東南海・南海地震のシミュレーションをしましたが、災害が起こり道路が寸断されたら大変なことになると思います。台風でさえ来る度に被害をもたらし、国道42号は波が高いと通行できなくなる所があります。また、災害時の援助などを受けられるには、国道とは別に高速道路が紀伊半島を一周することが陸の孤島と言われ続けた和歌山県の願いなのです。
 和歌山県は道路が不備なために流通が遅れ、工場誘致も少なく産業が発展しません。そのために人口が減りますます過疎化を進行させているように思います。私は市議に立候補するにあたり薬学部の大学のゼミの教授に相談しました。温暖な気候ときれいな水を利用した薬草の栽培を紀南地方の農家で行い、すぐに製品化する製薬企業の誘致は出来ないものかと。元厚生省の官僚で製薬会社に顔が利き、ここ一番に私の願いを聞いてくれる恩師なのですが「条件はいいが輸送が心配だ。」と。製薬会社が来れば地元の雇用にもつながりメリットは大きいと思ったのですが実現はまだ先になりそうです。
 高速道路だけではありません。消防車や救急車が入れないとかデイサービスの車が自宅の前まで迎えに行けない狭い市町村道がたくさんあります。山間部の道路は土砂崩れで行き止まりになることもあります。補修が必要な道路もあり、ガタガタではかえって危険です。道路の整備は決して無駄な事業ではなく国民の生活に結びついているのです。
ではその財源を確保しなければなりません。道路特定財源の暫定税率等の法案を成立させ、一般財源を道路整備に投入させなくてもいいようにしなければなりません。そのためにはねじれ国会といわれ、参議院では否決されそうな予断を許さない厳しい状況の中、党派を超えた良識ある国会議員の先生方のお力が必要なのです。選挙を前に、有権者受けする聞こえのいい廃止論に振り回されることなく、国家100年の計をビジョンとしていた私の祖父のように後世まで語り継がれる道路の整備や政治を望むところです。和歌山県の現状をしっかり都会の議員さんに伝えていただき、7月の参議院選挙では小選挙区で自民党が勝利した数少ない県であることが県民の道路に対する民意なのだと誇りをもって法案を通していただきたいのです。
最後に、このような大きな大会で話す機会を与えてくださいましてありがとうございました。3度目の正直とはよく言ったもので、椅子に向かってお願いするのではなく直接国会議員先生方に聞いていただけましたことを感謝して私の意見発表とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。