56、すごい卓球選手たち
  おかげで、広島で行われた第32回全国身体障害者スポーツ大会で金メダル。静岡、大阪、神戸のクラス分けの全国大会で3回優勝した。それで世界大会に行くための全日本の選手に選ばれて合宿をした。そしたらすごい人がいた。夫婦共車いすで、名古屋から成田まで運転して来て、だんな様の手で運転する車に奥さんを乗せて4台の車いすを車に積み込んでいた。自分たちが乗る車いすが2台。あとの2台は何を乗せるかというとスーツケースを乗せる車いすだった。それで飛行場に着いたらすぐスイスイと移動する。飛行場は広い。前の車いすに顔が隠れるぐらいスーツケースを乗せて、自分は後ろの車いすに乗って前の車いすを持ってこぐ。私も真似したが左へ曲がっていった。当たり前だ。右手ばかりこいでいたからだ。その夫婦は2人とも左右の手を変えていた。だからまっすぐ進んでいたのだ。そんなすごい夫婦、シドニーのパラリンピックでだんな様はコーチで奥さんは銀メダルだった。すごかったのは、ゼッケンに着物屋さんの名前を書けば広告になるからと、プロの卓球選手が障害者で初めて出てきたことだ。笑ってしまったのは、卓球のしすぎで障害者になった人「そこまでするなんて!」と言いたくなったくらい笑ってしまった。中学校のとき全国大会、高校のときインターハイで大人になったら国体に出て、ものすごく強い方だったがやりすぎで膝壊してしまったらしい。障害者になってもまたいい成績を残している。