55、皇太子様、雅子様と握手
  広島での大会は、和歌山県選手団としてユニホームを揃え、強化練習もあり県庁前で壮行式もしてもらった。バスで出発したが、大会中は選手村と家族は別行動となり、せっかくの応援に来てくれた父母と弟は開会式を見てもらっただけで観光していたようだ。前夜祭で県外の人とも友達になれた。プログラムに沿って練習や試合の日取りが決まっていた。私の卓球に試合の当日、試合会場付近が何かものものしい感じがしていた。警備員や警察官らしき人も多かった。私の試合直前に館内放送が入った。「皇太子さま、雅子さまが会場にお越しくださいます。そのまま試合を続けて下さい」と。なんと通路をお歩きになって試合をご覧くださるらしい。体育館に入られた頃に私の試合が始まった。お顔を拝見したかったが試合に夢中になってキョロキョロできなかった。結果は負けてしまったがさわやかな笑顔で終わった。ちょうど対戦相手の選手と握手をしに近づいた時、目の前に皇太子様と雅子さまが私の試合をご覧くださっていた。とっさにかけよりお辞儀をさせていただきあつかましくも手を出してしまった。皇太子様は快く「卓球は楽しいですか?」と言葉をかけて握手をしてくださった。「はい、楽しいです」と答えさせていただいた。続いてお隣の雅子さまも握手してくださった。予定にないハプニングにテレビカメラや新聞社の記者は驚き警備員は制止しようとしかけたが暖かく見守ってくれた。この感激を一生忘れることはない。