38、障害者卓球との出会い
 水泳で国体予選に出てもいい成績が取れず、御坊市のゼッケンに恥をかかせることになるから出場をこれきりにして帰ろうと思った。帰りがけに迎えの車を待っていた時、体育館で何やら他のスポーツやっていたのでのぞいてみた。障害のある人が卓球の試合をしていた。脳性マヒで支えがないと立っていられないぐらい不自由そうな方がラリーしていた。帰るのを待ってもらって、ものすごく速いボールを操っているのを横で見ながら、すごいと思って感動した。私もラケット持たせてもらった。サーブの早いボールがシュッ、シュッと飛んできてかすりもしなかった。その時、思い出した。健常児と一緒の学校へ行ったので、私は自分が障害者だということを忘れていた。こんなに障害の重い方ががんばっている姿を見て、私もがんばれば、だれかの励みになれるかもしれない。練習して、工夫すれば、勝てるかもしれないという闘志がみなぎってきた。そこで自宅に帰って、障害者の卓球についていろいろ調べた。来年の国体予選には水泳ではなく卓球で出場したいと思った。日高地方障害児者のつながりを広める文化祭の相談コーナーで「障害者の卓球サークルを探しています」と言うと、すぐに調べてくれ「わかやま卓友会」と出会った。