35、障害者が働くということ
 就職した当時は少ない薬剤師だったが、店舗数も増え、薬剤師も増えた。周りにサポートしてもらいながらも勤務薬剤師として、地域の薬剤師会の勉強会にも出席させてもらうようになった。薬局を経営している方や病院の薬剤部で働いている薬剤師が一堂に集まって、月1回、資質向上と医薬分業のための勉強会で、いろいろなことを教えていただいた。このように、医療のおかげで命長らえた私が、医療の一端としての薬局でお仕事させてもらえるのは幸せである。障害者は社会に甘えず、自立していこうとする意思を持つこと。そして、多くの人々がその自立への過程をときに厳しく、ときに思いやりの心を持って育てていくこと。これができて初めて、障害者も健常者も共に働き、遊び、人生を楽しむことができる社会が生まれると思う。障害者も社会に守られるだけではなく社会の中で普通に仕事して生活できてこそ、ノーマライゼーションの実現であり、国際障害者年のテーマである「完全参加と平等」の社会になると思う。職場の人の支えがなければ仕事ができないのは心苦しいが、力を貸してほしい時には頼みながら、できる所はしっかりやり、皆で一緒にこの店を繁盛させるという目標をもってがんばることができた。