19、あすか寮での生活
 あすか寮という20人が共同で生活する寮に入った。薬学部が多かったが栄養学部や法学部、経済学部の先輩もいた。同期は8人。薬学部4人、栄養学部2人、法学部2人だった。広島県や愛媛県、島根県など通えないところから来ていた。和歌山弁が通じないのもあり大笑いした。台所とお風呂が共同で部屋は1階が空いていて4畳半1間の個室だった。共有部分には掃除当番があった。お風呂の掃除は私には不自由なので19人でローテーションを組んでくれた。しかし、台所や廊下の掃除は私もできるからということで、2人組みなので10回に1回順番が回ってきた。ここでは障害があるからといって特別なことは何もなく普通に生活した。それを温かく見守ってくれ、私に出来ることは自分で、出来ないところで手を貸してくれる見極めのしっかりできる仲間に恵まれた。教室で消しゴム落とした時、隣の人はすぐ拾ってくれる。しかし部屋で落としたときたまたま部屋に友達が来ていても拾ってくれない。なぜなら私の部屋にはマジックハンドがあって自分で拾えることを知っているからだ。最初の頃は、毎日家からの電話がかかってきてその日の出来事を話していた。しかし友達もできて私からかけることも減って、家族の心配もなくなったようだ。自炊だったので近くのスーパーへ買い物に行き、台所で自分で料理し部屋に運んで食べた。当時はコンビニなどなく、試験前はおでんとカレーをたくさん炊いて、飽きないように交互に温めて、食事の時間も削って勉強した。徹夜が続いても平気だった。