16、薬学部に合格
 振り返ってみると、私は生まれたときから医師や看護婦さんに命を救ってもらった。だから医療の分野で恩返しがしたいと思った。仮死状態で産まれた時からお医者さんに手術してもらい看護師さんやリハビリの先生にお世話になった。多くの医療関係の人に助けていただいたこの命だから何か医療関係の仕事でお役に立てたらいいなあって思っていた。年が明けても大学を選ぶに当たって医療の分野にするか理科の先生になるかで悩んでいた。医学部は、私の成績と偏差値が費用のことを考えると国公立は届かなかった。仕事ができるかどうかの体力も必要な看護師は難しかった。出来れば和歌山県内で理科の先生をめざそうと考え和歌山大学の教育学部を受験するため、5教科7科目も勉強して共通1次試験を受けた。2月に入ると私立の試験が始まる。そこで見つけたのが理科の先生の資格が取れる薬学部だ。そして神戸学院大学薬学部に合格した。皆が合格を喜んでくれてうれしくて国立の2次試験のことをすっかり忘れて入学金を振り込んでしまった。入学金を振り込んでしまったおかげで滑り止めではなくなった。もし国立の2次試験に受かっても和歌山大学では理科の先生になれても薬剤師にはなれない。両方なれる可能性にかけた。それで私は親元を離れて一人で生活するのは不安だったが、大学へ行くことになった。