川柳を始めて21年 ~がじゅまるⅣ発刊にあたって~  
日高番傘川柳会 柳岡克子
 平成11年1月から、日高番傘川柳会に入会させていただいて21年になります。3種類の宿題・課題吟・席題を3句ずつ、がじゅまる抄5句を提出します。第3日曜日の句会があっという間にきて皆様にお会いするのが楽しみです。スケジュールが重なり出席できない月は投句という形で参加します。川柳は5・7・5の17音で世界で一番短い定型詩です。俳句のように季語はなくてもいいですが3要素①うがち(意外な側面から本質をえぐり出す皮肉や風刺)、②おかしみ(ユーモア・滑稽な味)、③軽み(軽妙さ)が求められます。作るにも波があって、すっと浮かんでくるときと、考えてもできないときがあり、スランプに陥ったこともあります。そんなときは下手でもいい、5・7・5の基本に忠実に思いのまま作りました。最近新しい仲間も増えてますます楽しい会になってきました。
雅号は「ここちよしこ」です。
 この度、日高番傘川柳会のメンバー27名で「がじゅまるⅣ」を発刊するに当たって、「笑いと感謝の我が人生」という題をつけて20句投句させていただきました。
 
*不自由でも 自由に生きる 障害者
*ファイトでは 誰にも負けぬ 車いす
*雨降って 傘の差せない 車いす
*松茸は かごには入れぬ 匂いだけ
*太ったか スカート縮む はずはない
*お金より カードレシート 我が財布
*しゃべったら 飛んだ入れ歯に 皆笑顔
*お隣の メニュー気になる いい臭い
*質素でも 家族がそろう 晩御飯
*肉のない 鍋に家族の 笑顔だけ
*母の留守 真夏の料理 鍋ばかり
*枯れるまで 人の為にと 尽くす父母
*親孝行 生きてるうちに しなくては
*もらいもの 受け取るときは 力持ち
*幸せは 笑う家族に 舞い降りる
*見合いでは 特技料理と 言うとこう
*失敗も よい経験と 踏み台に
*半世紀 生きて感謝の 同窓会
*我が人生 後ろは見ない 前進む
*我が人生 回り道だが おもしろい
 
その他、メモリアルウエストの「紡ぎ」にも投句させていただいています。
*紅白を こたつで見てた のは昔
*流れてる そうめんつかむ 皆笑顔
*思い出は 修学旅行の 雪だるま
*本でしか たき火知らない 子どもたち
*提灯に 秋の灯 祭りなし
*風鈴は 昼寝のための 子守歌
*秋桜が 似合う美浜の 述べ送り
 
産経新聞和歌山支局に掲載されました
*ノートには 夢いっぱいの 箇条書き
*車椅子 こいでついたよ 力こぶ
*手の中の 携帯世界 つなぐ窓
*手帳には イニシャルだけの 秘密の日
*ご祝儀は 豪華な袋 より中身
*有名な バンドのコピーで 出る舞台
*経験を 積んで私は 丸くなる
*家族でも 好みが違う 調味料
*届けよう ハンカチマスク 心込め
*ダイエット ゆとりある服 着るの夢
 
紀陽銀行の「まちかどミュージアム」はフォト川柳としてA4の写真に句を付けました。
*生み育て 父母のおかげで 半世紀(2015年)
*グランドを 駆けて投てき 拾うメカ(2016年)
*八十路過ぎ メールに夢中 父と母(2017年)
*今年こそ だるまに目玉 入れる夢(2018年)
*真冬には 家族の笑顔 鍋の中(2019年)
*ダイヤモンド婚 苦楽を共に 60年(2020年)
 
本町商店街の「ふれあいまつり」にも短冊を飾っていただきました。
*新もん食い この街いちの 宣伝屋
*いくつでも 学ぶ意欲は 忘れない
*もめるから 余分な事は 言わんとこ
*みがく程 きれいになれる わが心
*国体を きいちゃんダンスで お出迎え
*うっとりと 鏡の中で 化ける顔
*君が好き 嘘でいいから 言われたい
*正直に 背筋伸ばして 進む道
*友だから 心の奥を 打ち明ける
*真相は 犬が知ってる サスペンス
 
その他、御坊市文化協会発行の機関誌「ごぼう文化」に毎年1句掲載していただいています。
諸先輩方のご指導により、長く続けることができました。パソコンにはたくさんの句がたまってきました。まだまだ未熟な作品ばかりではございますが「がじゅまるⅣ」の合同句集の仲間入りさせていただきましたこと感謝申しあげます。これからも多くの皆様に微笑んでもらえる作品を発表できればと思います。