新市長に望むこと ~参政党結党に当たって~  
イシキカイカク大学4期生 柳岡克子
 4月11日、今までに無かった全く新しいスタイルの政党が立ち上がりました。『既存の政党政治では、日本が日本ではなくなってしまう』という危機感をもった有志が集まり、ゼロからつくった政治団体が参政党です。日本を良くするための情報の収集・分析・発信を行い筋道や方法を考える「シンクタンク」であり、広く社会運動をしていくための国民参加型の政党です。【日本の国益と世界の大調和を守るための党をつくる】を理念としていて、【先人の叡智を活かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくる。日本国の自立と繁栄を追求し、人類の発展に寄与する。日本の精神と伝統を活かし、調和社会のモデルをつくる】を綱領としています。広く国民に参加してもらいやすいタウンミーティングやイベントを開催し、情報提供はメルマガやYoutubeで配信し、深く学びたい人にはスクールもあります。
 事務局長の神谷宗幣氏は、2010年6月、龍馬プロジェクトを立ち上げました。2013年「CGS」、2019年「政党DIY」という登録者が5万人を超えるYoutubeチャンネルを開設し、様々なテーマで情報を配信しています。ボードメンバーの若手、京本和也氏は、2012年Youtubeやニコニコ動画で「KAZUYA CHANNNEL」を開設し、時事問題、政治、歴史などの題材をわかりやすく届け、登録者は70万人を超えています。
 神谷氏は、2018年1月から、現代版「松下村塾」のような情報大学「イシキカイカク大学」を開設しました。自宅にいながらでもパソコンやスマホから生放送のセミナーを受講することができるオンライン大学です。私は、2019年9月から、2月まで4期生として、東京の会場とインターネットでつながった通信生として14名の講師の先生の講座を聞きました。学校やマスメディアでは聞けない話が聞け、同窓生として、同じ意識を持つ仲間に囲まれながら参政党のサポーターに加わりました。
 折しも、御坊市は、柏木征夫市長が次期市長選に出馬しないと表明しました。そのため5月17日告示、24日投票で御坊市長選挙が行われることになりました。後進について「市民ファーストで御坊市をワンチームにまとめられる人を選んでいただきたい」とのことで、4月7日、元県職員の方が、立候補されました。保守系の議員や14の団体・グループが出馬要請をしたという事で無投票の公算が大きくなっています。
 そんな矢先、新型コロナウイルス感染症の予防のため世界中が自粛モードに入り、全国に緊急事態宣言が出され、活動も事務所も、密集・密着・密閉を避けなければならないことになりました。そうなると候補者について知らない市民には、候補者の話を聞く機会がなくなります。多くの方の推薦があるのでスムーズに決まったとしても市民の声を聴いてもらう機会さえないまま市長が決まることになります。
 当選の記者会見にはたくさんのメディアが来るでしょうから、和田勇のバッジを付けて、マスクに紀州鉄道の写真を貼り、横にみーやちゃんの人の入っていない着ぐるみを座らせ「秘書です」と言い、スターチスの花束を受け取るというような演出の万歳はいかがですか?PRはトップセールスだと東国原氏の講演を聞いたことがあります。インパクトのあるデビューをすることによってふるさと納税による寄付も増えるかもしれません。
 新市長には、御坊市にも「地域おこし協力隊」に来てもらい、御坊市の問題解決や発展のための活動を行なって活性化への一助になってもらいたいです。また、わかやま塾や田辺市の「たなべ未来創造塾」のような意欲的で行動力のある次の地域のリーダーを育て、産学官金が一体となった持続可能な地域づくりを考えていただきたいです。GO!GOBOプロジェクト事業を継続し、観光協会のみーやちゃんのツイッターを開設したように御坊市のYoutubeチャンネルを開設し、市長や議員が定期的に発信するシステムもいいでしょう。また「市議会だより」を発行することで、市民との距離を縮めていただきたいです。様々な会議は、zoomアプリを活用し、書類はデータ化し、議会は市のホームページから傍聴できたらいいですね。
 さて御坊市は、2018年度決算で、財政の弾力性を表す経常収支比率が県内30市町村でワースト1位で、財政状況の健全度を判断する健全化判断比率は、基準が25%のところ11.9%で大きく下回っています。要するに自由に使えるお金が少ないのです。人口減少に歯止めが利かない状況で歳入の増加は期待できません。さらに少子高齢化による社会保障関連経費は増え、財政面において新市長は荒波の中での舵取りを迫られることになります。
 そんな中、新庁舎建設事業費として6億676万円を含む、令和2年度の一般会計予算約126億円が計上されました。市民にとっては、市役所が新しくなることはうれしいことです。2018年6月議会で柏木市長が現在地建替えを表明しました。基本設計概要に対するパブリックコメントも結果が公表されています。
そんな矢先、新型コロナウイルス感染症が世界中を震撼させ、政府が全国に緊急事態宣言を発令しました。和歌山県も不要不急な外出の自粛を要請しました。それに伴い地域の商店や飲食店は経営が厳しい状況に置かれています。明日の生活を心配しなければならない市民が、今助けてほしいこと、してほしいことは市役所が新しくなることでしょうか?完成した頃に、商店がなくなり会社は倒産し、失業者が増えたら元もこうもありません。場所がどうとかの問題ではなく、しばらく建設計画を凍結し、その分を御坊市独自の施策として市民の生活を支えることに使えないものかと思いました。こんな提案をすれば、令和2年度に実施設計に着手することが条件の時限立法の市町村役場機能緊急保全事業債(総事業費56億円のうち45.2億円)を活用できなくなるという事になります。そこで新市長には、東京への市長就任挨拶の際に御坊市と同じように財政的に苦しい自治体と連携をし、国に対して時限立法の延長を陳情すればいかがでしょうか?
 もし延長できれば、今年度計上した予算の中から、小中学校の生徒にタブレットを配布して、遠隔でも学習できるシステムを構築してほしいです。延長が無理だったとしても、今年の花火大会を中止にして、集まるであろう寄付金をコロナ助け合い基金のようなものを作るなどして、何よりも市民の生活を支える御坊市独自の施策を考えていただきたいのです。それには、しがらみにとらわれず、柔軟な思考力と強いリーダーシップでスピード感を持ってこの難局を乗り越えて魅力ある街にしてほしいと思います。
 東京での参政党の結党大会は延期になりましたが、与党でも野党ではなく政権にも意見が言える第3の勢力としてこれから期待される団体となるでしょう。