新型コロナウイルスに関連して ~今さら聞けないよく聞く言葉~  
第1種衛生管理者 柳岡克子
 新型コロナウイルスに関連して、テレビや新聞・SNSなどで様々な情報が飛び交っています。そんな中でよく聞く言葉なのに説明できなかったり、違いがわからなかったり、知っているようで知らない言葉について調べてみました。
【飛沫感染】咳やくしゃみによって口から細かい水滴(飛沫)が飛び散り。この飛沫に病気の原因となる細菌やウイルスが含まれていた場合、これを吸い込むことで病原体が体の中に侵入したり、病気がうつること
【COVID-19】新型コロナウイルス感染症のことでこのウイルスによる肺炎などの症状全般をWHO(世界保健機関)が名づけた
【ウイルス】数10nm(ナノメートル)~数100nmで細菌の50分の1程度の大きさで、電子顕微鏡でしか見ることができない。単独では増殖できないので、人の細胞の中に侵入し増殖する。人に病気を起こすことがあるものとして、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどが知られている。細胞膜がないので抗菌薬(抗生剤、抗生物質)では効かない。抗ウイルス薬はまだ少数しか開発されていない
【細菌】0.1〜3.0㎛(マイクロメートル)で細胞膜の中に増殖に必要なリボゾーム・核酸(DNAとRNA)・基質・酵素などがあり細胞壁を境に、外には線毛や鞭毛があり、雑菌・バイ菌とも言う。人の体には多くの種類の細菌(常在菌)がいて、皮膚の表面や腸の中の環境を保っている。人に病気を起こすことがある細菌として、腸炎ビブリオ菌、コレラ菌、黄色ブドウ球菌、結核菌などが知られている。細菌は、細胞膜を破壊する抗菌薬(抗生剤、抗生物質)が効く
【ワクチン】いろいろな感染症の原因となる細菌やウイルスの病原体の毒性を弱めたり、無毒化にしたりして、コントロールされた安全な状態で免疫を作る
【PCR法】ポリメラーゼ連鎖反応法のことで、目的の遺伝子を増やす方法。検体の中に増やしたい遺伝子があれば増えて目で確認することができ“陽性”と判定される
【微生物】肉眼では観察できない微小な生物の総称でウイルス、真菌、細菌などがある
【殺菌】菌を殺し、医薬品医療機器法(旧・薬事法)に基づいて厚生労働省が表示などを規制している。
【消毒】感染症を防げる程度まで病原菌を殺すこと
【滅菌】病原性の有無にかかわらずすべての微生物を殺すことで、高圧水蒸気や強い消毒薬で処理するなどして完全に微生物を死滅させること
【抗菌】1998年に当時の通商産業省(現・経済産業省)が「抗菌加工製品における抗菌とは、当該製品の表面における細菌の増殖を抑制すること」と定義し、製品の業界団体が表示の自主基準を定めている
【除菌】菌を取り除くこと
【石鹸】天然油脂を苛性ソーダで加水分解して作られ、「脂肪酸ナトリウム」という成分でできている。油などの汚れを水に分散させる作用により洗浄能力を持つ。殺菌作用はなく、細菌やウイルスを洗い落とす除菌作用がある
【薬用石鹸】身体の一部や食器、布巾などの殺菌消毒目的で、厳しい条件をクリアして厚生労働省に「医薬部外品」として承認された石鹸
【合成洗剤】主に石油成分から作られ、高温・高圧などの複雑な工程をかけて製造される。衣類や食器、人体や機械などの洗浄を目的として、界面活性剤を主成分とする製品
【塩素系】次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、塩素には強い殺菌作用がある。酸性のものと反応して塩素ガスが発生するので混ぜてはいけない
【酸素系】液体は、過酸化水素が主成分で、傷口の消毒液などと同じ。粉末は、過炭酸ナトリウムが主成分で漂白力が高く、除菌効果も強力
【消毒用アルコール】日本薬局方で消毒用エタノールが規定されていて、医療分野で消毒に用いられる外用薬。濃度は、70%が有効で手指・皮膚・器具・物品の消毒に使われる
【パンデミック】ある感染症の顕著な感染や死亡被害が著しい事態を想定した世界的な流行
 連日マスコミやSNSからあふれる情報に対して、私達は、真偽をよく吟味し、情報に振り回されることなく、冷静に判断し行動することが大切だと改めて感じました。
 参照:広辞苑・ウィキペディアなど(編集・加筆あり)