キッチンのリフォーム  ~朝晴れエッセーに掲載される  
ウェブサイト産経WEST
御坊市人権啓発推進協議会副会長 柳岡克子
産経新聞、10月19日の朝刊の1面「朝晴れエッセー」とウェブサイト産経WESTに私の書いたコラムが掲載されました。
 「夕焼けエッセー」は平成14年4月1日から関西圏の産経新聞の夕刊に掲載していたエッセーです。平成28年2月から朝刊に「夜明けのエッセー」として北陸や中四国、南近畿に掲載された時から私は毎日楽しみに読んでいます。読むだけでなく投稿もしようとチャレンジして平成28年5月13日の「うどんのネギ」と平成29年1月7日の「父母のメール」と平成29年8月9日の「新しい足」と平成30年8月29日の「母の付添い」に続いて今回で5回目の掲載となります。今年の4月からは、「朝晴れエッセー」となり、全国にエリアが広がり応募者も増えて、採用基準も高まり審査が厳しくなりました。そんな中での掲載でとてもうれしいです。



キッチンのリフォーム
 先日、キッチンをリフォームした。自宅を新築した38年前から毎日使っているキッチン。朝昼夜の家族の食事を支えてくれた。和洋中華何でも母は作ってくれた。煮物、炒め物、揚げ物などを楽しそうに作る母の後ろ姿を見ながら食器をテーブルに並べる。取れたての魚もうまく刺身にする包丁さばきはプロ並みだ。
家族が健康で毎日そろって台所で食事を囲める幸せをかみしめている。目を離した隙に吹きこぼれたおかいさん(茶粥)、ガスを消し忘れて焦がしてしまった鍋。電話に夢中になって火事になりかけた天ぷら油。誕生日にはご馳走が並ぶ狭い空間だが母のお城。思い出いっぱいのキッチン。
ある日、母がシンクを汗だくになりながら磨いていた。私は「もうすぐ捨てるのにそんなにきれいにすることないじゃないの?」と言った。「長い間使わせてもらったお礼の気持ちよ」と母は言った。
リフォームの日が来た。母は取り外されたシンクを寂しそうに眺めながら、新しいキッチンを喜んでいた。業者が帰って家の隣の畑を見た。なんと畑の入り口に捨てたはずのシンクが堂々と君臨していた。「まだ使えそうだったから、ここに置いてもらった」と母は言った。新しい命を吹き込んでシンクは生まれ変わった。これからは、泥のついた大根や芋がきれいになって家族の笑顔が待っているキッチンに運ばれてくるのだろう。シンクの第2の人生のドラマはスタートを切った。
 
 嬉しいことが重なりこの度、和歌山県人権啓発センターから「人権の詩2019」の理事長賞に選ばれました。11月23日の和歌山ビッグホエールで開催された「ふれあい人権フェスタ2019」でパネル展示されました。その日は、御坊市人権啓発推進協議会主催で蓮池薫さんの人権講演会がありました。

   おもいやり
いけますか
大丈夫ですか
お手伝いしましょうか

その一言で
やさしさ
おもいやり
気づかい

あなたが分かります

きれいでも
かっこうよくても
化粧が上手でも

この一言をかける勇気が
一番すてき

あなたのおもいやりが
町中にあふれる
そんな和歌山が大好きだ