「平成」から「令和」に向かって  
祝日に国旗を揚げる会 副会長 柳岡克子
 平成31年4月1日、平成の次の元号が記者会見で菅義偉官房長官から発表されました。1989年1月8日に始まった平成は、2019年4月30日をもって、30年113日の歴史に幕を閉じることになります。新しい元号は、天皇陛下の譲位に伴い、新天皇が即位する5月1日午前0時に施行され改元が行われます。
「令和(れいわ)」は日本最古の歌集「万葉集」巻5、梅花の歌32首の序文からの引用です。天平2年(730年)の正月の13日、歌人で武人の大伴旅人(おおとものたびと)の太宰府にある邸宅で開かれた梅花の宴の様子を綴っています。「初春の令月にして、気淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す。」から2文字をとって命名されました。安倍晋三首相は、新元号「令和」に込めた意味について「悠久の歴史と香り高き文化、四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継いでいく、厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいとの願いを込めた」と語っています。
典拠を中国古典(漢籍)ではなく日本古典(国書)とする元号は、確認できる限り初めての日本の古典が由来となりました。『万葉集』を典拠にした理由について、「1200年余り前に編纂された日本最古の歌集であるとともに、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人や農民まで、幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書であります」と説明しました。
和歌山県の仁坂吉伸知事は4月2日の定例記者会見で「万葉集からの出典で『和』の文字が入り、梅の花の歌ということで和歌山県との深い縁を感じ、大変喜ばしく思っています」と感想を述べました。私も和歌山県民としてうれしいです。
 3月10日、祝日に国旗を揚げる会では、御坊市中央公民館で「平成から新しい時代へ」と題して、憲法について考える講演会を開催しました。日本会議大阪事務局次長で大阪における憲法改正実現に向けた啓発活動に従事、天皇陛下御即位30年奉祝行事を全国に先駆けて開催した丸山公紀氏を講師に講演してもらいました。まず元号について解説があり「平成の時代とは、戦後に積み残された数々の「負の遺産」を清算した30年でした。世界各国に残るわだかまりが解きほぐされ、友好親善が増進しました。国民が戦没者慰霊を大切に思い、自虐史観から脱却する兆しが出てきました。天皇陛下が大規模自然災害に遭われた人々の傍らに立ち、思いに寄りそう姿勢に敬愛する心が国民に広がりました」と平成を振り返りました。
その後、DVD「今そこにある危機と自衛隊」を視聴し、「国の守り」「国際平和協力」「災害派遣」などで活躍している自衛隊について憲法に明記するべきだとし、憲法改正の重要性を話してくれました。60人を超える参加者たちは「皇室の話など普段聞く機会がないがよくわかった」「憲法は改正しなければならないと思った」「自衛隊にもっと感謝したいと思った」などと感想を述べていました。
 4月2日付けで、御即位当日(5月1日)、祝意を表するため、1、国旗を掲揚すること。2、地方公共団体に対しても、国旗を掲揚するよう協力方を要望すること。3、地方公共団体以外の公署、学校、会社、その他一般においても、国旗を掲揚するよう協力方を要望することが閣議決定されました。そこで私たち祝日に国旗を揚げる会でも19日に開かれた総会で、譲位の4月30日と即位の5月1日に国旗の掲揚を呼び掛けることにしました。
10月22日には新天皇の即位を国内外に示す主要儀式である「即位礼正殿(せいでん)の儀」、11月には新天皇が即位後に最初に行う新嘗祭で、皇位継承において最も重要な儀式である「大嘗祭(だいじょうさい)」が行われ祝賀ムードが続きます。来年は、オリンピック・パラリンピックが開催され、国際的にも誇りを持てる国となり、センターポールに日の丸がたなびく「令和」のスタートを切りたいものです。