続けることの大切さ  ~15kgのダイエットに成功~  
元肥満体 柳岡克子
 平成24年、私は偏食が多いことをこの投稿に書きました。肉や魚が大好きで野菜やキノコが苦手です。それを解消するために大学時代料理教室へ通ったという話です。おかげでいろいろな食材を食べることができるようになりましたが、好きなものをドカ食いするのは変わっていませんでした。
去年の5月、衣替えをしていて、悲しくなるほど着られる服がありませんでした。小さい頃から肥満体で普通サイズの子ども服が入らないので裁縫の上手な伯母に縫ってもらったのを着ていました。洋服屋さんに行っても、デザインや柄、色で選ぶのではなく、入るかどうかで決め、少ない選択肢の中から入る服があっただけで喜んでいました。「やせたい」と口では言っているものの、なかなかやせられませんでした。
入院してやせた時には、うれしくて「退院祝い」と称して、おしゃれな服を買いました。しかし、病院食の貧しさから解放され、メロンの大食い大会で準優勝したり、食べ放題の店の常連となりました。そのせいですぐに元に戻ってしまい着られなくなりました。運動が大事だということで卓球をしたりスイミングスクールに通ったりしましたが、帰ってくるとお腹がすいて食べ過ぎて前より太りました。
50歳を過ぎて、同窓会などの集まりに行くと、同世代が亡くなったとか、病気の話ばかりです。先日お亡くなりになった西城秀樹さんが48歳で脳梗塞になったこともショックでした。誰よりも栄養や健康について勉強をしているつもりの私が、頭では分かっていながら実践できていないことはよくないと思い始めました。
そこで去年の5月から、思い切ってダイエットにチャレンジしました。今年「あがらの和歌山 紀州の女性 第二集」に私が掲載され「今挑戦していること」の欄に「ダイエット」と書いてもらいました。外堀を埋めて口外したからには、がんばらなければと意気込みました。講演の仕事で着たいと思って買ったスーツが入らなくて、目標とするために目につく部屋の入り口にかけました。
今までダイエット食品や効果があると言われているサプリメントなどいろいろ試してみましたが、費用もかかり、どれも長く続けることが出来ませんでした。お金をかけずに、やせることをめざしました。卓球を辞め運動をする機会も減り、無理をしてお腹をすかすことは避けました。太る原因は、口から入る栄養なので減らすように心掛けました。甘いジュースをお茶に変えました。はじめは目の前のチョコレートやポテトチップスに手が出て辛かったけど、我慢しました。大好きな焼肉やトンカツ、から揚げ、エビフライなど脂っこいものは減らして、おやつと夜食をやめて、ご飯を半分にしました。糖質制限が効果的だと言われていますが、炭水化物を減らしながらも栄養のバランスを考え、おかずはきちんと食べました。これだけのことを長く続けようと決めて、1週間に1度、体重計に乗りました。1ヶ月1kg減るぐらいなら戻りにくいことがわかりました。以前がんばり過ぎて5kgほどやせた時に6kg戻ったことがあります。リバウンドしないギリギリの状態を続けました。少しずつ減っていき、キチキチだった服やスカートがガブガブになっていくのがうれしくてたまらなくなってきました。
今回は入院など病気でやせたのではなく、がんばったからなので会う人ごとに「やせた?」と聞かれるのが快感です。中には病気になったのではないかと心配してくれる方もいますが、皆やせたとわかってくれるぐらいスマートになりました。しばらく会っていない方なら「首筋が」とか「ウエストが」とか具体的に言ってくれます。3年前の写真を見れば一目瞭然です。
実際1年3カ月で64kgあった体重が49kgに減りました。体重kg÷(身長m)2で肥満度を示すBMIは身長が1.49mの私は22で、22が最も病気になりにくいとされています。BMIが25を超えると肥満となり糖尿病、高血圧、高脂血症など生活習慣病になる確率が高くなります。生活習慣病になると脳梗塞や心疾患など様々な病気を引き起こします。15kg軽くなったことで足への負担が軽減され、歩きやすくなりました。やっとここまで続けられたのだから、これから水分補給でジュースが恋しくなる夏と食欲の秋を乗り切って戻らないようにしたいと思います。成功した自分へのご褒美に大好物のいちごミルクのかき氷やアイスクリーム、ケーキをほおばりたいのですが夢の中で食べます。ここで自分に負けてしまったら今までの努力がパーになってしまいます。何でも続けることの大切さをしみじみ感じました。何よりも健康なうちに今までの生活を改めることができたことを喜んで長生きしたいです。今までいろんな病気や障害を乗り越えてこれたのは、神様や仏様のお働きと多くの方々の支えがあったからだと思います。せっかく助けてもらった命を大切にして恩返ししていきたいと思います。