見えない障害 ~ヘルプマークとは~  
(公社)日本オストミー協会和歌山県支部 支部長 柳岡克子
 ヘルプマークとは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、東京都福祉保健局が作成したマークです。 ヘルプマークを持っているのは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、障害が目に見えにくいために人知れず困っている人です。外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなること が目的です。 ヘルプマークは、ただ電車の中で席を譲ってもらうために着けているものではありません。 緊急時(外で倒れたとき、事故に巻き込まれたときなど)に適切な対処ができるようにするためにもヘルプマークは役立ちます。また多様な主体による活用を図り、援助が必要 な方が日常的に様々な援助が得られる社会づくりを推進します。縦8.4㎝、横5.4㎝の赤い板に白十字とハートマークをあしらった可愛らしいデザインです(写真)カバンなど目立つところに付け、援助や気遣いが必要であることを示し、当事者の安心につながります。デザイン:公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)、永井一史氏及び柴田文江氏によります。
 平成24年に東京都が導入し、今年4月に京都府、7月より全国で3番目に和歌山県でもこのヘルプマークの配布が開始されました。県障害福祉課は「これまで障害や病気の種類で様々なサインが作られてきたが浸透していません。共通サインで地域に気遣いと優しさを広げ、障害の有無にかかわらずだれ もが暮らしやすい社会にしたい」としています。和歌山県障害福祉課(073-441-2531)や県内各振興局、和歌山市障害支援課と保健対策課で無料で交付しています。
 外から、見えない障害を知られたくない方もいますが、助けてほしい時にサポートを自然と求められる社会もやさしさの一つでしょう。
隣の写真は、あいサポートバッジです。日常的にこのバッジを身につけ、誰もが様々な障がいの特性を知ることにより、障害のあるかたが日常生活で困っていることや、障がいのある方への必要な配慮などを理解し、障がいのある方に対してちょっとした手助けや配慮などを実践することにより、障がいのある方が暮らしやすい地域社会(共生社会)を実現していこうという運動です。平成21年11月に鳥取県の運動としてスタートしました。
 障がいのある方を支える「心」を2つのハートを重ねることで表現しました。後ろの白いハートは障がいのある方を支える様子を表すとともに、「supporter(サポーター)」の「S」を表現しています。ベースとしている「橙色(だいだいいろ)」は、鳥取県出身で日本の障がい福祉に尽力された糸賀一雄(いとがかずお)氏の残した「この子らを世の光に」という言葉の「光」や、「暖かさ」をイメージしています。また、「だいだい(代々)」にちなみ、あいサポーターが広がって、共生社会の実現が達成される期待も込められています。
 和歌山県も今年10月から、「あいサポート運動」を推進していて企業や事業所等を対象にした「あいサポート認定団体」の登録を求めています。認定団体は養成講座等を開催しサポーターを増やしたいとのことです。
参照:鳥取県・東京都・和歌山県ホームページ