わが町の げんきびと  全国クリーニング組合ニュース9月号38ページ
  和歌山県 柳岡克子
 今回ご紹介する柳岡克子さんは、和歌山県御坊市在住で、和歌山県人権啓発センター登録講師として命の大切さを伝える講演活動を展開している「車いすの元気配達人」です。
《インターネットで動画で拝見しました。底抜けに明るく話されていたのが印象的でした。》
 *全国で講演されているのですか?
 内容を教えてください?
はい。生まれつき両手足に障害がありましたが、母親の送り迎えで健常児と一緒に普通の幼稚園小中学校・高校に通い卒業しました。
 指が不自由でじゃんけんが出来ないといじめられたり、自転車に乗れないことで自殺を考えたこともあるという思春期を乗り越え「何くそ」の精神で勉強に打ち込みました。
 できることは何でもさせる・前向きに考える母の育て方が今の私を作っています。
 親元を離れ手動式の車の免許を取り神戸学院大学薬学部を卒業したことなどの生い立ちをユーモアを交えて話します。自分でも障害者だということを忘れています。
 子どもから大人まで幅広い年代に受け入れられ好評です。「大変面白かった」「話に引き込まれてあっと言う間でした」という感想が多数です。子ども達が目をキラキラさせて話を聞いてくれる姿にこちらも励まされています。
 こんな身体でも頑張っている人がいること、命の大切さを知ってもらいたいです。
 《彼女の話を聞くと、当たり前だと思っていることや日常における小さな幸せがとても大切なことに気づかされ、またがんばろうという気持ちになります。一人でも多くの人に彼女の話を聞いてほしいと願っています。》
 *スポーツをしていたのですか?
 広島で開催された全国身体障害者スポーツ大会卓球の部において、金メダルを獲得し、パラリンピックをめざしアメリカ・台湾・ベルギー大会で好成績を残しました。そのことでNHK教育テレビの「きらっといきる」に出演しました。ところがシドニーパラリンピック直前に、潰瘍性大腸炎を患い引退しました。ドクターヘリによって御坊市の病院から和医大へ運ばれ命を助けてもらった経験から、多くの人の役に立ちたいと思うようになりました。そんなこともあり、昨年まで10年間、御坊市身体障害者福祉協会の会長をつとめさせていただきました。
*他にはどのような活動を?
 現在は、御坊市社会福祉協議会の理事や障害者団体の役員、日本会議和歌山女性の会副会長などしながら資格試験にチャレンジ。キャリアカウンセラーや年金アドバイザー・宅建に合格しました。総合学習センター柳岡塾を経営しながら慶風高校の非常勤講師もしています。
県が地域振興の若手養成のため募集した「わかやま塾ネクスト」の世話役としてイベントの企画を行っています。また薬剤師としてスポーツファーマシストの資格を取り、和歌山国体選手へのドーピング防止活動もしています。
 *今後の抱負をお聞かせください。
介護支援専門員や社会福祉士でもありますが、友達や家族など多くの方にお世話になって今まで生きてこられた半世紀ですから、これからの人生は恩返しが出来るよう頑張りたいと思います。障害者の枠を超え多くの方と知り合ったり、様々な活動に挑戦することが楽しいのです。
 《柳岡克子さんのことを詳しく知りたい方は、インターネットから「柳岡克子」で検索いただければご覧になれます。》