母の日にあたって
御坊市 柳岡克子
 今年に入って、母サト子(78歳)が、お尻のあたりが痛いと言いだしました。動き過ぎだろうと少しおとなしくするように言って、座りながら家事をしていました。2月になっても痛みが取れないので、病院へ行って痛み止めの薬をもらいました。しばらく良くなったということで、3月初め東京へも旅行に行くことが出来ました。ところが帰りの羽田空港で座り込んで痛がりました。あくる日、受診し、レントゲンで腰と股関節の骨がずれて神経に触れて痛くなっていることがわかりました。「すべり症」と言って高齢者がよくなる症状だそうです。
 そこで、以前日高病院に勤務していた整形外科の麻埴生先生に診てもらうべく労災病院へ紹介状を書いてもらいました。と言ってもすぐに予約が取れず、4月になって初めて労災病院へ行きました。新しくなっていてきれいで広くてうろうろしました。手術で固定するということで、5月だと言われ、毎日痛みとの闘いでした。元気だった母が、痛くて動けなくなりました。それでも入院が出来ず、週に一回自己血をストックするために、通院しなければならなくなりました。運転する父も、今年白内障の手術をしたばかりで今年は大変な年になりました。まあ80歳にして96点で運転免許の更新テストをクリアし、目もよく見えるようになったので、労災へ送り迎えをしていました。初めての採血の日、血糖値が高く、手術が出来なくなり、内視鏡での手術となりました。おかげでゴルデンウィーク前に手術が出来早く入院する事になりました。簡単な手術で痛みも取れ、何カ月も痛かったのがうそのように元気になりました。ところが数日寝ただけで、足に力が入らなくなり歩けなくなりました。大きな病気もしたことがなく、車いすの操作も下手くそでぎこちなく教えるのに時間がかかりました。しっかり歩けるようリハビリをするということで退院が延期となりました。
 さて、母が入院すると我が家は大変です。毎日の食事の買い物から料理、洗濯、お風呂の用意など私と父と弟で分担してしなければなりません。手伝いはしていましたが、一から何もかもするとなると母に甘えて暮らしていたことが身にしみて感じます。それでも母にしかわからないこともありますが、母に電話で聞くことが出来るので解決しました。講演も母と一緒に行くのがほとんどでしたが、今回は父と行きました。
 母の日にあたって、何もプレゼントなどできませんが、改めて母の偉大さを感じるとともに「ありがとう」の言葉をささげたいと思います。これといって親孝行もしてあげられないけど留守を守って、元気になって帰ってくる日を楽しみにしています。