楽しい講演活動  〜輝く瞳に励まされて〜
車いすの元気配達人 柳岡克子
「きらっといきる」というNHK教育テレビにゲスト出演して以来、「生きている喜び」と題して命の尊さを語る講演活動をしているのはご存じのことと思います。始めは障害者団体の総会後にお話しさせていただいていましたが、和歌山県人権啓発センターの登録講師となってからは、人権尊重の団体や民生児童委員会、老人クラブなどへと広がりました。そこで聞いて下さった方がライオンズクラブやロータリークラブ、青年会議所に所属していて「うちの会でもしゃべって」と呼んで下さいました。その方々には子どもさんがいてPTAで紹介してくれました。その時聞いてくれた校長先生が校長会の研修で講師をさせてくれました。それからというもの「子どもたちに聞かせてやりたい」と学校での講演が増えました。
 このように一度聞いて下さった方からの紹介がつながって御坊日高地域だけでなく県下全域に広がり、今では神戸や大阪での講演が増えています。ホームページを立ち上げたり、プロダクションにタレント登録しましたので、全く知らないところからの依頼もあります。全校生徒が12人の小学校から中高一貫2000人の大規模校までいろいろで、特に中学校での評判がよく校長先生から喜ばれています。「講演時間が90分とありますがうちの生徒は、やんちゃな傾向があり45分の授業でも先生が大変苦労されています。人の話を聞く態度もなってないかと思われますので失礼かと・・・」はじめてご挨拶した時の校長先生は皆さんこのように言われます。「まあ、生徒さんを信じてみてください」とだけ言わせてもらい90分を短縮することなく講演をはじめました。体育館に集まった生徒の瞳はぎらぎら輝き、笑顔と共に終了しました。終わった後「うちの生徒があんなに人の話を静かに真剣に聞く事が出来たなんてビックリしました」と校長先生から言われました。普段の様子を知らない私は「かわいいお子様たちですね」としか言えませんでした。ところが、しばらくして感想文が送られてきました。「コピーしている」からと原文のままでした。「おもしろくてあっというまでした」「楽しくて笑いっぱなしでした」「今まで障害者の講演というと泣けてくる話だと思っていましたが全然違いました」「いねむりする暇がありませんでした」「障害者はかわいそうだと思っていましたがこんなにがんばっている人がいるのなら僕は不自由な体ではないのでもっとがんばれると思いました」「将来の事を考えるきっかけになりました」という感じで「感動した」とか「よかった」より「お笑いタレントみたい」というたぐいのものばかりでした。しかもしっかりした文章で、私の一言一言を聞きもらすことなくぎっしり文字で埋められていて、校長先生が当初おっしゃっていた「やんちゃな傾向」はまったく感じられませんでした。最後に、実物よりかわいい私の似顔絵をカラフルに描いてくれていて「がんばってください」の言葉が添えられていてとてもうれしかったです。
 大人の集まりでは「毎日ごく当たり前のように思っていた事が実はとても幸せなことだと感じました」「内容が濃く、話される柳岡様のオーラを感じました」「お人柄と話のテンポ良さに引き込まれてしまいました」「生きるすばらしさを感じました」「泣いても解決できないことはもう泣かないと決めました」「お母さんやお父さんの育て方が素晴らしくお二人にもお会いできてなによりです」「自分に置き換えて考えさせられることばかりで聴かせていただいてよかったです」「これからは叱るだけじゃなく主人や子どものいいところを見つける努力をしようと思いました」とのコメントをいただきました。「障害者の講演は退屈」という方は、初めから「自分は障害者じゃないから苦労話を聞かされても・・・」という先入観を持っています。そういう方も「柳岡さんは障害を感じさせないパワーをもっていて元気をもらった」と言ってくれます。主催者からは「柳岡さんに講師として来てもらってよかった」「会は大成功になった」と喜んでいただいています。私の父母も読みながらニコニコしているところをみると少しは親孝行になっているかなと思っています。
 私は、自分が講演するにあたって他人の講演もよく聴かせていただいています。資格に伴う学術的な研修は勉強になりますが難しくてほとんど眠いです。実体験と結びついた講演は、興味深く聞かせていただいています。他人の講演を聞かせてもらいながら、話術や演出、時間配分なども研究し、話しにメリハリをつけ、動きのある中で、DVD上映やグッズを実際に手にとって見てもらったり、2人組でワークをする体験を取り入れています。皆に元気になってもらいたいと思いながら、輝く瞳に見つめられ私の方が励まされています。とてもやりがいのある仕事で私の生きがいにもなっています。
 このように学校や団体様の研修に呼んでいただくことがほとんどなので、私の講演を聞いてみたいという方が今までにもいらっしゃいましたが、入場できませんでした。この度、ソーシャルネットワーク雅主催で2月28日土曜日13時30分から和歌山ビッグ愛で誰もが元気になるセミナーの特別講演として介護をテーマにした映画「かあちゃんに贈る歌」上演に先だって「本当の福祉とは〜気配り・目配り・思いやり〜」と題してお話させていただきます。監督のトークショーや歌もあり、映画代込3000円ですが、誰でも参加できます。チケットのお問い合わせは(090-8219-0198柳岡まで)