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伊勢神宮から平和を祈る
JA紀州中央女性会御坊支部 柳岡克子
 今年、母が紀州中央農業協同組合女性会の御坊支部長をさせていただくことになって、京都日帰り研修旅行などの企画を手伝いました。来年4月の合併を前に伊勢神宮に一泊旅行に行くことになり、会員として私も連れってもらいました。
 12月5日、バス3台100名の一行は、長島温泉に向かいました。関のサービスエリアで昼食を食べ、2時前には、ホテル花水木に到着。アウトレットや遊園地に行った人もいますが私と母は、ゆっくり温泉につかり日頃の疲れをとりました。笹みどりのショーを少し見て、バスに乗って、なばなの里に行きました。富士山のイルミネーションが四季折々の色でとてもきれいでした。心配していたほど寒くなく、宴会場のホテルに戻りました。
 あくる日、伊勢神宮に参拝しました。20年に1度という第62回式年遷宮の年ということで参拝客で一杯でした。遷宮とは、神社の正殿を造営・修理する際や、正殿を新たに建てた場合に、御神体を遷すことです。内宮には、皇室の氏神である天照大御神の「御霊代」や天皇陛下が守られる三種の神器の一つである「八咫の鏡」が祀られています。式年とは定められた年という意味で伊勢神宮では20年に一度行われます。第1回の式年遷宮が内宮で行われたのは、持統天皇4年(690年)のことです。それから1300年にわたって続けられ、昭和48年に第60回、平成5年には第61回が行われ、第62回は、平成17年の山口祭から始まり、今年はたくさんの行事が執り行われました。
 この度「伊勢神宮に行く」と言ったら、津波防災研究会理事の二階俊樹さんが、JINRIKIという車いすを引っ張る道具を貸してくれました。これは、前輪を浮かすことにより楽に車いすを引っ張ることができるので女性でも少しの力で簡単に動かせます。我が家の前で母が実際試してみて、これならあの伊勢神宮の砂利でも大丈夫と思いお借りしました。伊勢神宮に到着しバスから降ろそうとしましたが、旅行会社の方が事務所で間一髪「電動車いすを借りることができた」と言ってくれました。「参拝者が多く数に限りがあるので借りられるかどうかわからない」と言われていましたが朝早かったので最後の一台が残っていました。ということで、母のぎこちない電動車いすの操作にカックン・カックン揺られながらも参拝できました。せっかくのご厚意のJINNRIKIは使えませんでしたが、これは、緩やかな階段でも雪でも砂利でも使えとてもいいと思いました。福祉用具としても貸与ができ緊急時の要援護者の避難に有効です。二階さんは、幼稚園や地域での避難訓練を精力的に行っていて、リヤカーで子どもたちを避難させていて、高齢者用のリヤカーを考えていた時、テレビでJINRIKIを見てすぐに取り寄せたそうです。
 12月8日、日本会議和歌山設立10周年と私が副会長をしている日本会議和歌山女性の会の5周年の式典がホテルグランビアで和歌山でありました。第1部の記念公演として和歌山市交響楽団と和歌山市響合唱団による皇紀2600年奉祝曲「海道東征」は、詩人北原白秋の作詞に曲をつけたもので、神武東征と御即位された物語を壮大に奏でたものでした。第2部の式典で元田辺市の教育長角荘三会長の挨拶があり、第3部の講演では、三好達日本会議会長が「日本の覚悟」と題して、誇りある国であるとの自覚を持とうと日本人の伝統精神文化の継承についても講演してくださいました。その日本会議の機関紙「日本の息吹12月号」に作家の山村明義氏が「式年遷宮」について寄稿されています。その中で、「日本人が大切にしてきた神々に魂を込めてこそ将来の繁栄・発展と伊勢神宮の永遠性を花開かせる。東京五輪の開催にあたってもおもてなしの精神には神道の魂が必要。この魂を取り戻すことが大切だ」と語っています。
 神様のお導きによっていろいろな体験をさせていただきました。伊勢神宮に行けて心が洗われた気がします。