「トイレが大変」プロジェクト
  〜防災ゲーム出前講座をはじめて〜
御坊市男女共同参画推進グループ ウイズ・ア・スマイル会長 柳岡克子
 10月10日から、御坊市内のデイケアサロンに出前講座に行くことになりました。今年度の事業計画で「防災」について女性の視点で考える活動をしているからです。災害が起こった時、女性の視点で考えたら、避難所運営で一番困ることとして、「トイレが大変」ということでした。そこでトイレの必要性について和歌山大学防災研究教育センターの今西武客員教授のお話を聞かせてもらい、実際、新聞紙で簡単なトイレの作り方を教えてもらいました。ライフラインが途切れ下水道が止まると、トイレの水を流せなくなります。避難所ではたちまち困ったことになります。男性は、その重要性に気付きにくいようです。様々な防災グッズが売られていますが、1回の尿量が200ccとして、だいたい一日5回とすると、一人1リットル。結構な費用負担になります。なぜなら、下水道は一番復旧に時間がかかるからです。そこで身近な新聞紙を使って使用後も一般ごみとして捨てられるトイレを考案したそうです。これを「トイレが大変」プロジェクトといって和歌山県下に知らせる活動をしているということで、私達ウイズ・ア・スマイルも多くの皆さんに知っていただきたく、出前講座をすることを決めました。
 その前に、クイズ形式で災害に遭った時、どのような行動を取るかをシュミレーションした防災ゲームをピンクと水色のうちわを上にあげてもらうことで選択してもらい、どうしてそちらを選んだかを意見交換する事にしました。どちらの答えが正解と言うことはありませんが、人の意見を聞くことによって、防災意識を高めたり、いざという時にあわてないために家族で話し合うきっかけづくりになればと思っています。
 具体的に、今回は8つの項目を取り上げましたが時間によって全部できないことが分かり、ここに紹介します。
 問題@大きな地震が来ました。避難所は、ペットの受け入れができません。余震も続いていますがペットと自宅にいますか?ペットをおいて避難所へ行きますか?自宅にいる→ピンク、避難所へ行く→水色
 問題A数日前から激しい雨が降り続き、「日高川が氾濫する危険があります。避難してください」という放送が聞こえてきました。現在、深夜12時。あなたは、今すぐ避難を始めますか?今すぐ避難する→ピンク、朝まで待って避難する→水色
 問題B大地震がおきました。自宅は「半壊」。あなたは、避難所で暮らしています。余震が続いていますが避難所は「安全」です。ところが、避難所に、インフルエンザが大流行しはじめたようです。あなたは、避難所を出て、半壊状態の我が家へもどりますか?我が家へ戻る→ピンク、避難所にいる→水色
 問題C防災のために、いつも風呂の残り湯を浴槽に溜めておけば断水しても安心です。あなたは、残り湯をためておきますか?ためておく→ピンク、ためない→水色
 問題Dあなたは、新築一戸建てに住んでいます。新しい家具もたいへん気に入っています。しかし、地震がきたら、家具が倒れるかも知れません。格好が悪いけれど、耐震金具を家具に付けますか?つける→ピンク、つけない→水色
 問題E地震から7日過ぎました。今避難所に避難しています。電気だけ復旧して、なんとか自宅へ戻れそうですが、あなたは体調が悪いです。避難所ならばお医者さんにかかることも出来ます。自宅に戻りますか?自宅に戻る→ピンク、避難所にいる→水色
 問題F地震で自宅は半壊しました。家族そろって避難所へ行きます。日頃から備えていたので家族の分なら水と食料が3日分あります。避難所にはまだ水と食料がありません。何も持たない他の家族の前で自分たちの避難袋をあけますか?あける→ピンク、あけない→水色
 問題G地震による津波が10分後に来ます。さっそく避難を始めますが、近所の一人暮らしのお友達のことが気になります。友達を見に行きますか?見に行く→ピンク、見に行かない→水色
 第1回目の出前講座を受けてくれたのがむつみサロンです。始めてのことで運営など心配していましたが、ボランティアの皆様の御協力でスムーズに進み、楽しいひとときを過ごしていただくことができました。ゲームの後、新聞紙で簡易トイレを作り、ペットシートを敷いて、ビニール袋へ入れて出来上がりです。完成品はお持ち帰りいただけます。御家族で防災について話し合い、意識の向上になれば幸いです。
 御坊市内であればどこでも行かせてもらいますので、御希望のサロンや団体様があれば御連絡下さい。(090-8219-0198柳岡克子まで)