明治神宮から平和を祈る
 〜日本女性の会10周年記念式典に参加して〜
日本会議和歌山女性の会副会長 柳岡克子
 新年のご挨拶を申し上げます。昨年12月8日、東京・明治神宮会館で、1,700名の人々が集い、日本女性の会10周年記念「東日本大震災チャリティー講演会」が盛大に開催されました。明治神宮は明治天皇と昭憲皇太后をお祀りする神社で、大正9年に、縁の深い代々木の地に創建されました。初詣は例年日本一の参拝者数を集める神社としても知られています。明治天皇は、徳育の振興が最も大切であるとされ、わが国の教育方針を明らかにするため、明治23年、教育勅語を出されました。勅語には、日本人が祖先から受け継いできた豊かな感性と美徳が表され、人が生きていくべき上で心がけるべき徳目が簡潔に述べられていました。昭憲皇太后さまは、明治天皇の皇后として、女子教育のご奨励と博愛、慈善の事業、社会事業振興の先頭に立ち、華族女学校(現学習院女子高等科)や、お茶の水の東京女子師範学校(現・お茶の水女子大学)の設立、日本赤十字社の発展などにきわめて大きな役割をお果たしになりました。
 「女性も元気に国づくり人づくり」を合い言葉に、家庭の価値を再評価し、子供に夢と誇りを与える教育の実現を目指して活動してきた「日本女性の会」が、設立より10周年を迎えました。私も、日本会議和歌山女性の会副会長として参加させていただきました。第1部10周年記念式典では、国歌斉唱の後、東日本大震災による犠牲者のご冥福をお祈りして、参加者全員により黙祷が捧げられ、3月16日にご発表になった「東日本大震災に際する天皇陛下のおことば」を拝聴しました。
国会議員、各種団体の代表、全国各地から日本会議・日本女性の会の役員の皆様が来賓としてご出席されましたが、代表して、三好達日本会議会長が挨拶されました。三好会長は、「日本女性の会の皆さん、そして支援していただいている皆さんがこれからも力を尽くして頑張って頂かなければ日本は危うい。国民の覚醒を促し、ご先祖様から受け継いだ国を、誇るべき国として子々孫々に引き継いでいくために、皆様いっしょに頑張ろうではありませんか」とエールを送られました。主催者の日本女性の会・小野田町枝会長は「日本女性の会は、平成13年に結成され、会長に就任して5年。役員と共に全国を隈無く歩き、当初4支部だったのが現在38支部に拡大したのは全国の皆様の暖かい情熱の賜です。今の日本には、子供は国の宝という基本的な考え方が欠けている。次代を担う子供たちをたくましく、健やかに育てるのは女性の力、母親の愛情。女性は子供を宿し、生み育てるという神様から与えられた特権があります。子供たちや男性に勇気を奮い起こさせる魔法の力も持っています。その魔法の力で、家庭や地域社会で良い家庭を作るのが「誇りある国づくり」で、それが日本女性の会の役割です。大きな国難の時ほど気高い女性の力が必要。日本国が栄え、さらに誇り高い国になってほしいという一念で会長をお引き受けしていますが、皆様、共に力を合わせて良い国を作ろうではありませんか」と挨拶されました。
 第2部では、「極限を生きて〜国のありがたさ〜」と題して、(財)小野田自然塾理事長の小野田寛郎氏が講演されました。小野田氏は始めに「本日12月8日は今から70年前に開戦の詔勅日。当時19歳で商社に勤務していたが、フィリピンのルバング島で29年間戦い続けることになった経緯について詳しくお話しされました。また「フィリピンの島で油断も隙も無い中で戦ったが、本当に安心できるのは自分の母国しかない。家の中心になって子供を育てていくのは母親。母親が一番の団結力の中心になる。女性が一番の原点であり、家、国が出来ている。日本が負けて残念だったが、経済的にだけは成長した。しかし、その間、随分置き忘れたものがある。一番置き忘れたものは、各家庭における団結力。そして国が無ければ生きていけない。それをすっかり忘れている。先祖から受け継いできた者を子孫につなぐために私達は生きている。」とお話しされました。会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
 その後、日本女性の会の呼びかけに応じて、この度の東日本大震災に於ける自衛隊の皆様の救援活動に対して、11月16日、感謝と激励の5千羽の折鶴と、5枚の寄せ書きの色紙を伊丹市の陸上自衛隊第3師団に持参した大阪女性の会など各支部の活動報告が事務局よりありました。最後に、日本女性の会の有志による合唱・日本の歌「金剛石」「日本」「ふるさと」のコーラスが行われ、安本百合子委員より閉会の挨拶がなされました。
 師走の予定が立て込んでいて車いすでの往復新幹線の日帰り東京でしたが、開会までに原宿や表参道を散策したり、神宮の参拝や各界の有識者と親睦を深めることができました。うれしかったのは、高市早苗衆議院議員と有村治子参議院議員が「遠くからよく来て下さった」と私を見つけるや声をかけて下さったこと、中山恭子参議院議員が拉致問題の解決のため私が和歌山でブルーリボン活動をしていることを「一緒に頑張りましょうね」と言って下さったことです。震災や台風で大変だった1年を締めくくり、改めて「絆」を考える素晴らしい10周年記念式典となりました。今年は、すべてを乗り越えて新しい一歩を前進させていきたいと思います.
(参照 日本会議・明治神宮ホームページ)