拉致被害者救出のために  〜今、私たちにできること〜
日本会議和歌山女性の会副会長 柳岡克子
 平成15年、田辺市で北朝鮮からの拉致被害者を救出するため横田・有本夫妻をお招きして直接お話を聞く講演会を開催しましたが、その後進展がなく家族の方々は苦悩の日々が続いています。そこで和歌山ブルーリボンの会(大倉勝行会長)主催、日本会議和歌山共催で12月2日、紀南文化会館で、拉致犯罪への関心を新たにして、被害者や家族の方々を励ますため、日本会議和歌山角荘三会長をコーディネーターとしてシンポジウムを開催しました。パネラーの家族会代表で田口八重子さんの兄飯塚繁雄さんは「その時の政権の大臣に頼むしかなく、せっかく担当大臣に面会したのに柳田大臣は辞任し、忙しい仙石官房長官に兼務となりやってもらえるのか不安です。拉致問題を専門にやってくれる大臣を作ってほしいと要望しています。」としながらも拉致被害者に対する情報等が政府から全く知らされていない現状を明らかにしました。妻の飯塚栄子さんは「お腹が大きくならずに子どもが増えた。」と近所で言われたことやパスポートを取るまで母親のことを知らせなかった苦痛を述べました。横田めぐみさんの母横田早紀江さんは「拉致は命の問題。皆が父や母の立場で解決に向けて真剣に取り組んでほしい。」と支援を訴えていました。また、有本恵子さんの母有本嘉代子さんは「どうしてこんなに長くかかるのか?被害者家族も高齢化しており元気なうちに解決してほしい。」と語り「運動を続けていけるのも皆さんの協力のおかげです。」と感謝の言葉を述べました。また、特定失踪者問題調査会常任理事の三宅博さんは「特定失踪者は非公開270名を入れると480名ぐらいいる。和歌山県にも3名いる。政府の拉致認定被害者は17名しかなく基準も明確ではないが増えていないのは増やしたくないのではないか。日本人を拉致したシンガンスは死刑判決を受けているが、『政治犯ではなく思想犯だ』と釈放の嘆願が行われそのサインをした33名の中に管首相と千葉前法相がいたことからも拉致問題を解決する意欲が疑われる。」と怒っていました。
シンポジウムに先立って「日本文明を誇りとする」立場からシンクタンク・国家基本問題研究所を設立しているジャーナリストの櫻井よしこ氏が「今、日本が直面する内外の課題」をテーマに講演しました。控室でお会いした櫻井氏は綺麗で清楚な感じで素敵でした。西村眞悟氏から紹介され名刺交換させていただいた時、「がんばりましょうね。」と優しい言葉をかけて下さいました。
講演では「拉致のとき13歳のめぐみさんが46歳になっていることを思うと長い年月を感じます。拉致被害者を助け出せるかどうかがまともな国であるかどうかの基準になります。拉致問題を解決できなければ他のいかなる問題も解決できないでしょう。」と穏やかな口調ながらもしっかりと考えを述べられました。また北朝鮮の韓国攻撃についても「あってはならないこと」と厳しく非難。尖閣諸島沖漁船衝突事件では「報道が全く反対なので、中国の国民は真実を知らないから、日本人が悪いと思っています。」と「中国に対して厳しい目を向け、民主党政権の混迷を憂うるとともに日本が外交と軍事力をバランスよく持っていなければなりません。」と強調。「日本はアジアのリーダーとしての気概を持たなければなりません。国家は国民を守り、国民は『日本人の誇りと志』を取り戻そうではありませんか。」と力強く訴えました。
6日、第26回正論大賞が櫻井よしこ氏に贈られることが決まりました。フジサンケイグループがこのほど開いた正論大賞の選考委員会で、日本再生へ向けた精力的な言論活動が高く評価されたのです。
特別ゲストとして参加した西村眞悟前衆議院議員は尖閣諸島に足を踏み入れたことがある方で「拉致問題を決して忘れてはいけない。」と挨拶しました。
最後に「この集会を機に必ず救い出す!という気迫を持とう。」と松本俊男日本会議和歌山紀南支部副支部長が大会決議が読み上げ参加者一同拍手で閉会しました。ロビーでは尖閣諸島をはじめ我が領土領海を守るための請願署名や拉致被害者救出のための署名が行われていました。紀南文化会館の大ホールは立ち見が出るほど一杯で関心の高さが伺えました。私は横田めぐみさんと同じ昭和39年11月生まれということでひとごとではありません。ご参加いただきました多くの方にお礼申し上げます。